Windows Hello対応でサインインが楽になる指紋認証キー「SEKC SFSD-01」を購入したので、簡単にレビューしたいと思います。

価格は3千円台と指紋認証キーの中では安いモデルですが、どの程度使えるのでしょうか…?
場所を取らないドングルタイプ

デスクに置いて使うタイプではなくUSBの差し口近くで使うドングルタイプなので非常にコンパクト。
差した時の長さは約7.5mm程度と小型USBメモリくらいのサイズなので、ノートPCに挿しっぱなしのままスリーブなどに入れて持ち運ぶこともできそうです。

定規と目測で測ってみたところ、幅は17.5mmで高さは12mmでした。
最近の薄型ノートPCでもはみ出ることはないと思いますし、隣のUSB機器と干渉し合うこともないと思います。
ちなみに指紋センサー部分は約10mm×8mmでした。
いきなり問題発生!ドライバーがインストールされない…
さっそくWindows 11搭載のPCで使ってみようとUSBに差してみたのですが、なぜかデバイス一覧に表示されませんでした・・・

Windowsがデバイスを認識しているかどうかを確認するために「デバイスマネージャー」をチェックしてみたところ、「Scp Virtual Bus Driver」というデバイスにビックリマークが…!

「デバイス状態」には「このデバイスに必要なドライバーのデジタル署名を検証できません」というエラーが表示されていていたので、セキュアブートを有効にしたPCでそれに対応していないドライバーをインストールしようとして弾かれているのかな・・・と予想。
今回試したPCはWindows 11にアップグレード済みでセキュアブートを無効化することができないため、スタートアップ設定からドライバー検証を無効化してインストールできるようにすることで解決しました。
これについては後述します。
安価ながら性能面は良好
サインイン中のPCを一度ロックして「SEKC SFSD-01」で解除をしてみたところ、レスポンスが遅れるようなこともなくあっさりと解除ができました。
他の指紋認証キーを持っていないため他社製品との比較はできないのですが、体感的にはスマホの指紋認証並みに早いです。
多少指がセンサーからずれてしまっても正常に認識してくれるのでササッとセンサーに触れるだけでロック解除ができます。
ただ、光学式センサーは指が湿っていたり逆に乾燥しすぎていたりするとどうしても認識しづらくなってしまう欠点があるのですが、「SEKC SFSD-01」もこの光学式タイプです。
試しに指を水につけて濡らした状態でロック解除を行ってみたところあまり認識してくれなかったので、洗い物をした後やお風呂上がり、冬場の乾燥した時期などでは反応が悪くなるかもしれません。
また、この商品に限りませんが指紋が薄かったりすると反応しないことが多いので、その場合は指紋認証ではなくWindows Helloの顔認証に対応したウェブカメラを使ったほうがいいかもしれません。
Windowsのロック解除以外にも、パスワード管理ツール「1Password」のロック解除もしてみましたがこちらもすぐに解除できました。
これならスリープ状態から復帰する度に、Windowsのログインパスワードと1Passwordのマスターパスワードを入れなくて済みます。
1Passwordで指紋認証(Windows Hello)を利用してロックを解除できるようにするためには設定をする必要があるので注意が必要です。

設定方法は、1Passwordの設定から「セキュリティ」を開いて、「Windows Hello を使って 1Password をロック解除」をオンにするだけです。
なお、1Passwordを起動した時(例えばWindowsの起動時や1Passwordを終了したあと再度起動した時など)はマスターパスワードによるロック解除が必須となっていて、Windows Helloでロック解除をすることはできません。
初期設定の解説
ここでは「SEKC SFSD-01」の初期設定を解説していきます。
と言っても、公式サイトにあるドライバーページでユーザーマニュアル(PDF形式)が用意されているので、基本それを見ながら作業すればOKです。
以下の手順は公式のユーザーマニュアルを参考に書いていますので、公式マニュアルを見てもわからない点があったり、途中でエラーなどの問題が発生したときにでも見ていただければ幸いです。
なお、Windows 8以前のPCが手元になかったので、Windows 10と11のみの解説になります。
Windows 10, 11は、デバイスを差し込めば自動でドライバーをインストールしてくれます。
もし指紋認証キーが反応しない場合はドライバーの自動インストールがうまくいっていない可能性があるので、以下のいずれかの手順で手動インストールしてみてください。
Windows 11の場合、私の環境では解決法④「ドライバー署名の強制を無効にする」の方法で解決しましたが、Amazonのレビューでは解決法②「ドライバーを更新してみる(手動更新)」で解決された方もいるようです。

まずは「デバイスマネージャー」を開きます。スタートボタンを右クリックして表示されるコンテキストメニューから開くか、スタートメニューで「デバイスマネージャー」と検索をかければ出てくると思います。

デバイスマネージャーを開いたら、「生体認証デバイス」の中から「ELAN WBF Fingerprint Sensor」と書いてあるデバイスを探します。
デバイスを見つけたら、デバイス名を右クリックしてコンテキストメニューから「ドライバーの更新」をクリックします。

ドライバーを自動的に検索してインストールするか、PCからドライバーファイルを選択してインストールするかの選択画面が出るので「ドライバーを自動的に検索」をクリックします。

もし最新のドライバーがあって、それがPCにインストールされていない場合は自動でインストールされますが、最適なドライバーが既にインストールされているといったメッセージが表示された場合はドライバーを更新する必要はありません。
もしこの手順を行っても認識しない、動作しない場合は他の方法を試してみてください。
公式サイトにあるダウンロードページからドライバーをダウンロードします。

「Windows 7,8 ドライバ Drivers」の下にあるリンクをクリックしてドライバーをダウンロードします。
ファイルはRARという圧縮ファイルでWindowsのエクスプローラーでは解凍できないので、7-ZipやWinRARなどの解凍ソフトが別途必要です。

ダウンロードした「fingerprintdriver(.rar)」圧縮ファイルを解凍します(.rarは拡張子でエクスプローラーの設定によっては表示されません)。解凍先はどこでもOKです。

解凍したフォルダの中に「windows rs3 driver」→「58ac728c5496dba6a4ac843b9be1287a(.rar)」という圧縮ファイルが入っていると思います。
その圧縮ファイルの中にドライバー関連のファイルが入っているので、これも適当な場所に解凍します。

解凍すると「EFD1.1.0.2113_USB_Driver_WHQL」というフォルダの中に「Setup.exe」があると思うので実行します。
あとはインストーラーが起動するのでその指示に従って選択すればOKです。
もしこれでもエラーが出る場合は、以下も試してみてください。

最初に「デバイスマネージャー」を開きます。
スタートボタンを右クリックして表示されるコンテキストメニューから開くか、スタートメニューで「デバイスマネージャー」と検索をかければ出てくると思います。

デバイスマネージャーを開いたら、「生体認証デバイス」の中から「ELAN WBF Fingerprint Sensor」と書いてあるデバイスを探します。
デバイスを見つけたら、デバイス名を右クリックしてコンテキストメニューから「ドライバーの更新」をクリックします。

ドライバーを自動的に検索してインストールするか、PCからドライバーファイルを選択してインストールするかの選択画面が出るので「コンピューターを参照してドライバーを検索」をクリックします。

「参照」をクリックして先ほどダウンロードした「EFD1.1.0.2113_USB_Driver_WHQL」フォルダを指定、「サブフォルダーも検索する」にチェックを入れて「次へ」をクリックします。
「ドライバーが正常に更新されました」と表示された場合は手動でインストールが出来ているので指紋デバイスが認識されているか確かめてみてください。
「このデバイスに最適なドライバーが既にインストールされています」と表示された場合は手動でインストールしなくてもよい状態なので、この手順では解決しない可能性があります。
この手順を行っても認識しない、動作しない場合は他の方法を試してみてください。
セキュアブートが有効になっていると、これに対応していないドライバーは検証時に弾かれてしまいインストールできません。
この指紋認証キーもセキュアブートに対応していないため、セキュアブートを無効にする必要があります。
PCによってはBIOSでセキュアブートが有効になっている場合があります。なお、Windows 11ではセキュアブートの有効化が必須となっているので、この手順は使えません。
BIOSの変更は上級者向きなので、PCに詳しい知り合いやお店の方に手伝ってもらうことをおすすめします。

まずはセキュアブートが有効になっているかを確認するために「システム情報」を開きます。スタートメニューで「システム情報」と検索すれば出てくると思います。

「システムの要約」から「セキュア ブートの状態」を探します。
その値が「無効」となっている場合は既にセキュアブートが無効化されているので、この手順は使えません。他の方法を試してみてください。
「有効」となっている場合はセキュアブートが有効化されているので、オフにするためにBIOSを起動します。
BIOSの入り方やセキュアブートの設定場所はマザーボードのメーカーによって異なる場合があります。お使いのPCのメーカーサイトを確認してみてください。

参考までに、わたしの使っているPCはASUS製のマザーボードの場合は、セキュアブートの設定は「起動→セキュアブート」にありました。
「OSタイプ」が「非UEFIモード」はセキュアブートがオフ、「UEFIモード」がオンになっている状態です。
もしセキュアブートを無効化しても認識しない、動作しない場合は、BIOSでセキュアブートの設定をもとに戻してから他の方法を試してみてください。
これはわたしの使っているPC(Windows 11)でインストールできた手順です。

まず、Windowsの「設定」アプリを開きます。スタートボタンを右クリックして表示されるコンテキストメニューから開くか、スタートメニューで「設定」と検索をかければ出てくると思います。

「シムテム」の中にある「回復」をクリック。

「回復オプション」にある「今すぐ再起動」をクリックして再起動します。

再起動後にオプションの選択という画面が表示されるので「トラブルシューティング」をクリックします。

次に「詳細オプション」をクリック。

次に「スタートアップ設定」をクリックします。

右下にある「再起動」ボタンをクリックしてPCを再起動します。

再起動後に上記画像のような選択画面が表示されるので、キーボートの数字キーで7かファンクションキーのF7を押します。
これでドライバーが署名されているかのチェックが無効化されて指紋認証デバイスのドライバーが自動インストールされると思うので、Windows起動後にデバイスが認識されているか確認してみてください。
他にもPCを再起動したりWindows Updateで更新が来ていないか確認したり、別のUSBポートに差し替えてみるなども試すことができます。
これでも解決しない場合は商品自体の初期不良か、ハードウェアやソフトウェアとの相性などの可能性もあると思うので、販売元やメーカーに問い合わせた方がいいかもしれません。
さいごに
安価な製品はコストを抑えるため、反応が鈍かったり耐久性が低かったりすることが多いです。
「SEKC SFSD-01」は安価ながらしっかり反応しますし、使い勝手も良いです。ただ、耐久性についてはまだ3ヶ月日ほどしか使っていないので、まだ判断できません。
また、PCによってはドライバーを手動インストールしないといけなかったり、最悪BIOSの設定を変更する必要があったりと初期設定が面倒になることがあります。
とはいえそれは最初だけで、それさえ解決できれば問題なく快適に使えるので、手軽に…とはいかないかもしれませんが、この価格帯であれば買う価値はあると思います。
「SEKC SFSD-01」の価格は3,311円(執筆時点)。Amazonだとセールで安くなっていることがあるのでその時に買うのがおすすめです。

わたしはセール価格(当時1,912円)で買いました。3ヶ月ほど仕事用PCで毎日使っていますが、今のところ問題なく使えています。何かあればまた記事を更新しますね
以上、「SEKC SFSD-01」のレビューでした。