小型なドングルタイプの格安キャプチャーボード「DAZFE USB HDMIキャプチャーボード」を購入したので、簡単にレビューしたいと思います。

当ブログの記事内で使う動画を撮るため購入した格安キャプチャボードですが、どの程度使えるのでしょうか…?実際に使ってみたいと思います
外観はシンプルな作りで付属品は説明書のみ
付属品は中国語と英語、日本語の説明書のみで、ケーブルなどのオプション品は付属されていません。
ちなみに日本語のマニュアルはいかにも機械翻訳で直訳したような酷いものではなく、意外にちゃんとした文章になっていました。
小型ながら720p/60fpsで録画可能(最大1080p/30fpsまで)

最大入力解像度は4K(2160p)/30fpsで、録画可能な最大解像度は1080p/30fpsです。
4Kは入力のみ可能で実際に録画される映像ははキャプボ側で1080pにダウンスケールされてしまうので、例えばPS5側で映像出力を4Kに設定してこの製品に繋いだ場合、録画される映像は1080pにダウンスケールされてしまいます(パススルー機能付きなら4Kのまテレビやモニターに映し出すことは可能です)
4K/30fpsで録画もしたいとなると3万弱、4K/60fpsだと3.5万円する高価なキャプチャーボードが必要になります。
一応このキャプチャーボードでも60fpsで録画することは可能ですが、最大解像度は720pになってしまいます(ドングルタイプで1080p/60fpsで録画可能なものは見たことがないです)。
ちなみに、中華製で似たようなドングルタイプのキャプチャーボードは他にもありますが、USB端子を青色にして3.0に見せかけていたり(内部は2.0)、実質1080p/30fpsでしか録画できないにも関わらず1080p/60fpsで録画できる(実際は1フレーム水増ししているだけ)という誤解を招くような記載している商品が多いので気を付けましょう。
録画ソフトによって設定がバラバラ…?
この商品にはキャプチャソフトが付属されていないので、別途録画ソフトを用意する必要があります。
今回は、有名どころのOBS Studio、Bandicam、アマレコTV4で動作するのか試してみました。
OBS Studioの場合…
配信ソフトで有名な「OSB Studio」の場合だと、映像キャプチャデバイスとして認識はされているものの「解像度/FPSタイプ」には何も表示されませんでした。
デフォルトでは1080p/30fpsになっているので、720p/60fpsにするには「解像度/FPSタイプ」をカスタムに変更して「解像度」と「FPS」を手動で変更する必要があるのと、「映像フォーマット」でYUVが表示されたりされなかったり安定しないようです(MJPEGかつ1080pで60FPSを選択できますが、実際に録画される映像は30FPSで、水増ししているだけでした)

キャプチャデバイスの音声を録音する場合は、「カスタム音声デバイスを使用する」にチェックを入れて「音声デバイス」を「デジタルオーディオインターフェース(USB Digital Audio)」に変更する必要があります。
Bnadicamやアマレコの場合…
OBS以外の録画ソフト(Bandicamやアマレコ)だとMPEGよりも高画質なYUVもバグらず選択できますが、YUVだと選択できるFPSが低くなります。
また、これらのソフトで録画した動画ファイルは編集ソフトによってはRGBレンジの設定を修正する必要があるようで、実際に録画した動画ファイルをAviUtlで読み込んだところコントラストが強くかかって白飛びした映像になってしまいました。
ちなみにAviUtlなら拡張色調補正フィルタの「PC -> TVスケール補正」にチェックを入れることで解決できます。
こちらもキャプチャデバイスの音声を録音する場合は「デジタルオーディオインターフェース(USB Digital Audio)」を録音デバイスとして追加する必要があります。
画質と音質はそこそこ


デフォルトではMJPEG(Motion JPEG)になっていますが、YUVと比較すると色差のある輪郭にノイズが混じって劣化しているのがわかります。
MJPEGで録画した場合1080p/30fps(720p/60fps)で録画できますが、画質の良いYUVだと1080p/5fps(720p/15fps)までしか録画できないため、YUVでは静止画を撮影する程度でしか利用する機会がない点が残念なところです。
あとは音質ですが、そのままの状態だとモノラルになってしまうようです(実はステレオで録音されているらしいのですがモノラルとして認識されているらしい?)
遅延は少し気になる程度
実際にNintendo Switchをこのキャプチャーボードに繋げて「あつまれ どうぶつの森」をOBS上の画面で釣りをしてみました。
上記動画で並べて比較してみるとそんなに遅延しているように見えませんが、プレイ中の体感的には遅延の影響でワンテンポほど遅れている気がしました。

通常のサカナであれば問題なく釣ることができましたが、シーラカンスやマグロなどの大物はタイミングが遅くなって逃げてしまうことがままありました…
この商品はパススルー機能が付いていないので、例えばゲーム用途だとプレイ画面を確認するためには遅延の発生するPCの画面に表示されるものを確認する必要があり、プレイヤーを動かして操作するゲームやタイミングが重要な音ゲーなどでは操作がままならなくなることが多いです。
ゲームの実況・録画用途であればパススルー機能がついたキャプチャーボードを使ったほうがよさそうです。
あるいは、別途HDMI分配器を購入して片方をキャプチャーボード、もう片方をテレビなどにつなげるという方法もあります。
さいごに
レビュー記事で使いたかった画像や動画を撮るために購入したのですが、静止画のスクショや画質やフレーム数を気にしない撮影用途であれば十分使えると思います。
流石にゲーム実況をする用途なら最低でも1万円クラスのキャプチャーボードは欲しいところです。

この商品でも出来なくはないのでしょうけど、画質やフレームレート、遅延のことを考えると難しいかもしれませんね
とはいえ、似た商品で1080p/60fps対応やUSB3.0対応など虚偽の記載をしている物が多い中、比較的正しい情報を掲載しているこの商品には好感が持てます。
「DAZFE USB HDMIキャプチャーボード」の価格は1,590円(執筆時点)。Amazonだとセールやクーポンで安く買えることがあるのでその時に買うのがおすすめです。
以上、「SEKC SFSD-01」のレビューでした。